“A wise person travels incognito.”・・・賢者は”忍び”で旅を楽しむ
2015-06-17
「社会的地位や名声を旅先には持ち込まない」という考え方は、言うなれば、世界の教養人・見識者における常識です。本来、「旅」は、普段の生活から離れ、「新しい経験」を得る目的で楽しむところにその醍醐味があります。
浅はかな知識や固定観念に依存するばかりで、「脳を開発する『知恵』(wisdom)」を持たない非理性的存在者は、旅先でも、
1)「意味のない自己顕示欲」
2)「自分が勤務している組織の名前」(概して「自分は”組織の歯車”である」という現実に対して盲目な人が多いでしょう)
3)「(出るところに出れば)何の価値もない勤務先内での肩書」
をそこに持ち込もうとします。
人間は、自分の地位や所有物が、見るところから見れば「”瓦落多(がらくた)同然”のちっぽけな代物」という真実を知ったときに初めて、「自己における『本質』(the essence)」を認識し、「旅の楽しみ方」を知るようになります。
旅をするとき、例えば、海外旅行をするとき、「自分が『お上りさん』であるか否か」という様相は、上記の考え方・捉え方について理解できるかどうかでわかるでしょう。一個の人間の「品格」というものは、まさに、このあたりに露呈します。