Message from Toshiyuki Namai
英米社会では、どのような人でも「エレガント英語」を喋っているのでしょうか。
言うまでもなく。英語は、ヨーロッパ大陸から離れた“島国・イギリス”を発祥とする言語 です。しかし、世界史における数々の歩みを通して、21世紀初頭の現在では、この地球上 ではアメリカ英語が大きな勢力を持つようになりました。
海外でも日本でも、英語を喋る人は、実に星の数ほどいます。英語を喋る人の人口は数えきれいほどの巨大な人口ですが、では、その中で一体どれだけの人々が「エレガント英語」 を喋るのでしょうか。
具体的に述べると、たとえイギリス人・アメリカ人だからといって、そのすべての人々が「エレガント英語」を喋るわけではありません。例えば、「イギリスでは、日常的に、すべての人々が『エレガント英語』を喋っている」、「マンハッタンでは皆、『都会的な洗練された英語』を喋っている」、「英米人は皆、毎日のように国際政治・外交・経済問題・文化・芸術などについて格調高い英語で喋っている」 というステレオタイプなイメージは、英米社会の現実を知らない一般的日本人が抱く妄想でしかありません。
このことは、日本語にたとえると実にわかりやすいでしょう。日本人は皆、「品格のあるエレガントな日本語」を喋っているでしょうか。今、この場で説明するには及ばないことですが、「日本で生まれ育った日本人において、そのすべての人々が『品格のあるエレガントな日本語』を喋っているわけではない」という有様は、どのような人においても、心を静め、冷静に世の中を見ればすぐにわかることです。
いや、それどころか、私たちは毎日、日本語を喋っていますが、いつどこで「品格のあるエレガントな日本語」を喋る人に出会うことがあるのでしょうか。毎日、多くの人々と接する読者の皆さん自身、そう簡単には「エレガントな日本語」を喋る人と接することはないでしょう。つまり、日本人であれば日本語は喋れますが、「エレガントな日本語を喋る人は極めて少数である」ということです。
英語においても、このことが、そっくりそのままの形で当て嵌まります。イギリスでもアメリカでも、毎日、スラング ばかりを喋っている人もいれば、社会的常識・マナーのない英語を喋る人もたくさんいます。
わたくし生井利幸の新刊・『エレガント英語74』は、上記のような見方・捉え方を大前提として、「読者の皆さんが、一体どのような学習方法を行えば『品格・品位のある美しい英語』、即ち、『エレガント 英語』が喋れるようになれるのか」という問題意識を大きな柱として執筆されました。