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読み物カテゴリ: ‘哲学詩’

”形に支配される”という悲劇

2023-01-09

”形に支配される”という悲劇

形、
それは、本質不在の代物

形、
それは、”理性の使い方を知らない人間”を惑わす代物

前を見ても後ろを見ても、
右を見ても左を見ても、
本質不在の形ばかりが目につく

思うに、最初から、
形を形として捉える必要はない

なぜならば、人間は、
長い年月を通して自分自身が形に支配され、
人生の節目にその経験を回顧することによって初めて、
”形の中には何もない”、という真実に気付くからだ

では、本質はどこにあるのか
たいていの場合、
本質を目で見ることはできない

見えないものを見てみよう
見えるものに支配されるのではなく、
見えないものを見たとき、
人間は、”賦与された理性”の使い方を知るようになる

愛情と慕情

2023-01-08

愛情と慕情

人は、明言を好む
明言は、人に安心を齎す

安心して経験する言葉は、
果して、本当に安心なのか

人は、言葉を聞いたり、読んだりすると、
一度は、ほっと一息つく
だが、実際のところ、それで終わることはない

今、考えてみよう
明言された言葉が自分の身体に入ったあと、
”自分の中に新たなる情感が生まれる”、ということを

情感、
それは、時に、”心の中の一つの慕情”に変わっていく

慕情、
そこには、計り知れない深遠なる愛がある
慕情は、自ら生み、自ら育む”この世でたった一つの愛”

愛情と慕情、
人は、様々な人生経験を通して、
愛情と慕情の違いを悟っていく

2023-01-04

絆は強い
絆の強さに勝るものはない

鎖は脆い
鎖は、いずれ、砕ける命運を背負っている

絆は強い
絆には、人間の生と死を超越した結び付きが内在している

絆は、
人間と人間を結び付け続けている”永遠なる命の権化”

人間同士の”永遠なる融合”、
人間は、この融合の実現を目指して生きるが、
実現する人間はほとんどいない

”他者との融合の美しさ”を実体経験した人間、
その人間は、やがて、
”人間存在の究極的境地”に辿り着く

生きることの美しさ、
いや、これは、
”存在することの美しさ”を指すものだ

正道と邪道

2023-01-03

正道と邪道

私は、毎日、朝一番に旅に出る
旅には出るが、私の身体はそのままだ

朝の旅は、新鮮そのもの
旅の鮮度は、
直接、旅の質にかかわること

朝の旅は、
まさに、自分の”出所”に戻る旅
毎朝、自分の出所に戻る時間は、
自分の生き方を調整・微調整する時間

正道と邪道
正道は、正しい道
邪道は、正しくない道

自分が歩む道が、正しいのか、
それとも、正しくないのか
そして、いったい誰がそれを決めるのか

人間が人間である以上、
どのような人間においても、時として、生き方に”ぶれ”が生じる
ぶれは、人間を邪道に引き寄せる

人生の終焉を迎える日まで、旅をしてみよう
毎朝、自分の出所まで旅に出かければ、ぶれることはない
ぶれなければ、正道から外れることはない

正道、
それは、夢想家が、いたずらに夢見る道ではない

正道、
それは、人間が、人間らしく生きる道

正道、
それは、人間が、人間として、正しく生きる道

2022-12-27

命とは何か
命とは、言うなれば、
広大な宇宙空間におけるたった一つの存在物

一個の命は、
無数にある存在物の中の”たった一つの存在物”
そして、それは、埃よりも微小なる存在物

命に命はあるのか
命は命そのもの

命に、”対となる完全なる化身”など、
宇宙空間のどこにも存在しない

人間は、しばしば、
”命をはって生きる”と断言する
だが、命をはって生きるその姿は、
実のところ、自らの命で生きているわけではない

一個の人間が命をはって生きても、
その生き方の中に”命”はない

生き方の中に”命”が存在する生き方は、
一個の存在物が、”自己の命”を生きる生き方

命を生きてみよう
命を生きる存在物は、
いずれ、実現したいことをしっかりと実現する

生きる真意

2022-12-20

生きる真意

誰と誰に届くのか
肝心なのは、届くことではない

届いても、伝わらないことが多い
では、伝えるにはどうしたらよいか

届ける
伝える

届けるには、汗が必要
伝えるには、真心が必要

真心とは何か
真心とは、真の心

銭金の世の中
この世の中で、真心で生きる
伝えるために、真心で生きる

人間は、
迎える日々を真心で生き続けながら、
生きる真意を悟る

生きる真意、
それは、命の真意そのもの

最高潮への道程

2022-12-20

最高潮への道程

限界までやってみよう
限界までやると、
限界は、実のところ、
決して限界ではないことがわかる

黙って限界までやってみよう
黙々と限界までやると、
その限界は、
単に、自分のものさしで決めた限界だったことに気づく

真の限界とは、
最初の限界である”第一の限界”を突き破り、
遥か遠くに見える”第二の限界”を指す

第二の限界の面前に辿り着き、
それを突き破ることは想像以上に難しい
難しいが、とにかく全力でやるしかない

人間は、第二の限界を突き破ったとき、
過去において経験したことのない最高潮の境地に入る

清貧の美意識

2022-12-19

清貧の美意識

清らかでありたい
質素でありたい

清貧とは、
清らかで貧しいということ

無欲は美しい
貪欲は醜い

美しく生きるとは、
清貧の美意識に生きるということ

外見は華美
中身は空っぽ

人間は、
自分の中身が空っぽであることに恐怖を感じたとき、
本質的な何かを会得する尊さを実感する

せせらぎの美しさ

2022-12-12

せせらぎの美しさ

小川のせせらぎは美しい
せせらぎの美しさは、自然体で生きる人間の美しさを彷彿させる

せせらぎの音を聞いていると、時間を忘れる
時間を忘れるが、
同時に、”時間が止まることはない”という自然の摂理を教えてくれる

躊躇しない生き方は、
まさに、”美”そのもの

躊躇しないということは、心の中に曇りがない証
躊躇しないということは、心の中に何らの迷いもない証

曇りも迷いもない人間は、
常に、真っ直ぐに、自分が”自分で決めた道”を歩む

私は今、せせらぎの前に立っている
そして、改めて、
私自身、自分の命で刻み続けている一秒一秒の”重さ”と”尊さ”を実感する

理性の化身

2022-12-12

理性の化身

埃に塗れた古書の一節に涙した
流したその涙の一滴は、単なる一滴か
それとも、太平洋の海水に勝る大量の水分なのか

賦与された理性で思考して流した”一滴の涙”
それは、ほんの一滴だが、
実は、巨大な一滴

一個の理性的存在者が流した一滴の涙は、
宇宙空間に現実に存在する”巨大なる理性的思考の化身”

人間は、理性の思考の偉大さについて、
無の状態で、自分の命の中に潜む”命の中心核”で捉えたときに初めて、
人間の命と、その命の根源の関係性について意識する

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